【マッチレビュー】リバプール対トッテナム ~CL王者の風格~

19/20 Premier League

2019年10月28日、Premier League第10節、リバプール対トッテナムのマッチレビューをしていく。結果は2-1でリバプールが勝利した。

スターティングメンバー

昨シーズンのCL決勝以来の対戦となったリバプールとトッテナム。リバプールはその決勝戦から1人しかスタメンが変わらず、そのときスタメンだったマティップに代わりロブレンがスタメンに入った。リバプールはほぼフルメンバーと言えるだろう。

それに対し、トッテナムはその決勝戦から3人スタメンが代わった。怪我をしているトッテナムの正ゴールキーパーであるロリスに代わって入ったガッサニーガのプレーを観るのが初めてだったので、非常に楽しみだった。

前半

開始わずか47秒で試合が動く

今シーズンリーグ戦で未だ無敗で首位を走っているリバプールに対し、トッテナムは不調が続いていて、監督であるポチェッティーノが解任されるという噂も広まっている。さらにリバプールのホームであるため、リバプールが勝利することをほとんどの人が予想していたが、トッテナムが試合開始早々に先制した。

ウィンクスの守備、シソコの前への推進力、ソンフンミンの強烈なシュート、ケインのゴールへの嗅覚、全てが素晴らしかった。特に注目したいのはシソコの強引なドリブル。

先制点に繋がったシソコのドリブル

シソコのセンターサークルの手前から開始したドリブルは見事だった。ファビーニョ、ワイナルドゥムを抜き、さらにヘンダーソン、ファンダイクを釣り出しながらソンフンミンにパスを繋いだこのプレーのおかげでトッテナムが先制点を取ることができたと言っても過言ではないだろう。

リバプールの猛攻を引いて守るトッテナム

あっという間に先制点を決めたトッテナムはリーグ優勝のために絶対負けられないリバプールに対し4-5-1のブロックを作り、リバプールをかなりリスペクトした守り方をしていた。

トッテナムの守備ブロック

トッテナムは特にリバプールの両サイドのアレクサンダーアーノルドとロバートソンから送られる高精度のクロスをとても警戒していた。アーノルドかロバートソンにボールが渡ったらすぐに全体スライドし、少なくとも1人がプレスをかけた。

リバプールの得意なクロス攻撃がなかなか機能しない中、クロップの指示か選手個人の判断なのかは分からないが、リバプールはある工夫を施してきた。それは、両サイドバック間でのサイドチェンジだ。特にアーノルドからロバートソンへのサイドチェンジは試合を通じて何本も通っていた。

画像の通り、アーノルドにボールが渡ると逆サイドが大きく開く。そこに正確にパスを通せるのは卓越したアーノルドのキック精度のおかげだろう。そしてロバートソンにパスが通ると、トッテナムのスライド守備が間に合わず、何度もリバプールにチャンスを作られていた。

ガッサニーガとは何者だ

トッテナムはリバプールに何度も決定期を作られていたが無失点で前半を終了することができた。前半に最も活躍したのは点を決めたケインやそれを演出したシソコ、ソンフンミンではなく、間違いなくガッサニーガだろう。リバプールの点が入ってもおかしくないシュートにスーパーセーブを連発した。


ガッサニーガはアルゼンチン代表の経験もある27歳で、2シーズン前にサウサンプトンからトッテナムに加入した。サウサンプトン時代も正ゴールキーパーではなかったが、この試合に出場しているアンデルヴェイレルト、ファンダイク、マネと一緒にプレーをしていた。


今は怪我をしているロリスの代わりに出場しているが、この活躍が続けばトッテナムの正ゴールキーパーになっても文句を言う人はいないだろう。初めてプレーを観た私も思わず感嘆してしまうほど上出来だった。今後も彼の活躍に注目していきたい。

後半

ヘンダーソンの効果的な動き

52分、ヘンダーソンのゴールでリバプールが同点に追いついたのだが、この一連のシーンでヘンダーソンのオフザボールの動きの良さが分かるプレーが2つあった。

ヘンダーソンの幅を取る動き

前半同様、アーノルドに対してはソン、ロバートソンに対してはエリクセンが徹底的にマークに付いていたので、先程解説した両サイドバック間のサイドチェンジからクロスを上げる以外の状況でリバプールはなかなかクロスを上げることができていなかった。

そんな中、アーノルドはオーバラップをせず、サラーが中に絞った状況でヘンダーソンが右サイドに大きく開きフリーな状態でボールを受けた。このとき、ソンはアーノルド、ローズはサラーにマークをしているので、ローズがヘンダーソンに寄せきる前にクロスを上げることができた。

このヘンダーソンのクロスでは得点は生まれなかったが、ヘンダーソンもクロスの精度が高いため、トッテナムにとっては非常に脅威に感じただろう。

ヘンダーソンの死角を突く動き

このシーンは先程のヘンダーソンのクロスのクリアをファビーニョが拾い、リバプールの二次攻撃が始まるときだ。このとき、フィルミーノがダビンソンサンチェスの背後を取り、ローズがフィルミーノのマークに付いていったときに空くローズの背後のスペースをヘンダーソンは見逃さなかった。

ヘンダーソンはローズの背後のスペースにボールを要求し、ファビーニョからの見事なクロスをダイレクトで合わせ、同点弾を決めた。

このように相手の嫌がる動きを連続してすることができるヘンダーソンが、選手層が厚いリバプールの中で主将として定位置を確保し続けられているのも当然の結果だろう。

予想外の守りの策

75分にサラーのPKで逆転に成功したリバプールだが、85分にサラーが怪我をし、負傷交代を余儀なくされてしまう。

サラーに代わって出場したのはまさかのセンターバックや右サイドバックを本職とするジョーゴメスだった。リバプールはジョーゴメスが右サイドバックに入り、アーノルドが一列前に上がるという形でポジションを変更した。

これは前半から何度もチャンスを作られていたソンを抑えるための戦術変更だろう。ジョーゴメスはアーノルドより守備に関しては優れているため、この修正は機能していた。さらに、アーノルドもサラーに比べると守備が優れているため、1点リードを守りきるためにはこのクロップの采配は大当たりだった。

ジョーゴメスが交代して入ってからは特に目立ったピンチはなく、リバプールは1点リードを守りきり、ホームで難敵相手に勝利を掴み取ることができた。

まとめ

絶好調のリバプールと不調が続くトッテナム。結果ではほぼ互角の勝負だったように思えるが、実際はリバプールが勝つべくして勝ったという印象が強かった。

まだ半分以上あるリーグ戦。リバプールがこのまま首位を守り続けるのかどうか、非常に見ものである。

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